3人の宝

ふたりが幼稚園の年中の冬

なみがガンで逝ってしまった

嵐のような闘病生活だった


金融機関に再就職した夫は

概ね仕事は順調だったが

ストレス解消が必要だと

土日はジムやジョギングへ

友人とテニス 登山 スキー旅行へ行く


月曜日から土曜日の夕方までは

イライラピリピリしていて

いつ怒りだすかわからないので

そっとしておかなければならなかった


家族でシュノーケリングをしたり

乗馬をしたりするようになったが

旅行中も不機嫌で楽しめない

義務感で家族と旅行していたのだろう

どの写真にも笑顔はない

何度も話し合ったが変わらなかった


確かにストレスの多い仕事だ

才能も必要だし

実際優秀な人だった

野球選手みたいなものだと考えよう

と思った

優れた人はきっとみな

大きな欠点だってあるにちがいないと


小学2年生のとき

海は頻尿になった

旅先の車中

サービスエリアから出発後

すぐにまたトイレに行きたがると

夫は怒り

飲み終わったカフェオレのカップにしろ

と言った


許せなかった

にらみつけて

子どものプライバシーを尊重しろ

と怒鳴った


ふたりにあちこち見せたかったが

夫は人混みが嫌だったし

興味もなかったので

観光地は却下された


私は近所しか

運転したことがなかったが

ふたりを乗せて

カーフェリーで九州へ

16日間の大旅行で山道も走った

カセットコンロと調理道具を持って行き

あちこちの駐車場で料理をしたりして

楽しかった


それから毎年夏休みには

3人で長いドライブ旅行に出かけた

たくさんの思い出が

3人の宝になった

青空通信

双子の子育てや離婚、自分の成長、 他の方々から頂いた言葉、 出会った言葉を綴っています。

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