義母
運動会を見に
夫の両親が来た
夫が怒ってばかりいることを
聞いてほしかった
出会った頃から短気だったが
子どものころからそうだったのか
聞きたかった
義母に尋ねると
あの子は昔から優しくておだやかで
怒ったことなんかないと
義母の中の夫は
現実の夫とは別人だった
あなたが家の雰囲気を
悪くしてるんじゃない?
とも言われた
だんだん話がおかしくなっていって
お墓の話にまでなった
お墓のことは
まず夫に相談してくださいと
ちょうど来た夫にバトンタッチした
遠目に見ると
義母は何やら興奮して話をしている
義母は 相手の気持ちを考えずに
自分の考えを
押しつけてくるところがある
やんわりと断っても通じない
キツイ言葉を使うのは嫌いだけれど
でもちゃんと言わないと
少しも伝わらないし
巻き込まれる
はっきり断ると
どうしてなのと詰問がはじまり
私が悪者になる
義母と話すと
ダメージから回復するのに
時間がかかる
私は自分を守るために
できるかぎり義母とは
かかわりたくなかった
理解されなくても
よく思われなくてもいい
翻弄されたくないのだ
義母に
私は今まで生きてきて
みんなにいい人だと言われてきた
あなたの受け取り方が間違っている
と言われたのは10年前
それからは
電話は嫌いなんです
ということにしていた
電話ができないのは
私に心の病気があるんじゃないか
と言われたこともあった
運動会から1週間ほど経って
義母から大きな封筒が届いた
中には
大きく引き伸ばされた
写真が入っていた
10代の頃の夫が
家族と笑っている写真だった
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