特別な日 / 廊下キャンプ場

我が家に双子が誕生する前

クリスマスは夫婦で

食事とワインが定番だった

遥か昔の幻のようだ

日々をこなすのが手一杯

ツリーを飾り

プレゼントを買ってと形ばかり

けれど 慌しい毎日の中に

小さな喜びと幸せの瞬間があった

体も心も少しずつ成長してゆく彼らに

時折誇らしい気持ちが湧く

毎日が特別な日だった


5歳のクリスマスイブの夕方

サンタさんに手紙を書かなくちゃと

ふたりは苦労して

初めて自分たちの力だけで手紙を書いて

ツリーのくつしたへ

そしてサンタさんにもプレゼントするんだと

広告で作った作品やあやとりのひもなどを

それぞれが紙袋に入れた

サンタさん喜ぶかなぁ

夜 眠るまで気になって 気になって


ふたりが寝付き プレゼントの仕度

サッカーシューズとソックス

ボールを入れる網

絵本「となかいはなぜサンタのそりをひく?」

岩波書店

そして 鈴と

幼稚園のあい先生に代筆していただいた

「となかいから」の手紙


翌朝 目覚めると 大急ぎでツリーへ

手紙なくなってる!

プレゼントももらってくれたんだ!

希望の品に声をうわずらせて喜ぶ

「となかいから」の手紙を読んであげると

静かな笑顔で不思議そうに聞き入る


鈴を何度も耳のそばで振って

いい音だねーと

紐をつけてどこかに飾れば?と言うと

陸はいやだ!と

北極に持っていかなくちゃいけないから

大事にしまっておくという

数日後 海の鈴がなくなった

しばらくして見つけ出すと

ママありがとうと泣き出した


いつかオーロラを見に行く時

まだサンタを信じているかはわからないが

5歳の冬の記憶は

これから出会う様々なものごとを

心で感じる道筋になることと信じる



。。。。。。。。。。


廊下キャンプ場


雨ばかりで

家ですごす時間が長かった

いらない布団袋と突っ張り棒で

テントを作って廊下に張った

4人ぐらい入れる

大きさにできあがって

小さなテーブルを置いて

夕食をお弁当箱に詰めて食べた


面白かった

雨の日は廊下キャンプ場で食べよう

という約束になった


私の育った家には

大きな仕事場があった

かんなくずや木の切れ端・釘・

大工道具があって・・

家はおもしろかった


陸と海にも

家をおもしろい場所にして

あげられればと思う

あんまりめちゃくちゃに

なるのは困るけど

家具や家が多少傷ついても

変でも

面白い方がいい

青空通信

双子の子育てや離婚、自分の成長、 他の方々から頂いた言葉、 出会った言葉を綴っています。

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