オナガの子

日が暮れたころ

陸と海となみと

「いつもの公園」と呼んでいる

原っぱへ向かっていた


その手前の

遊具のある小さな公園に入ると

公園のフェンスと隣の家の塀の隙間に

オナガのヒナがいた


色はオナガだが ずんぐりと丸く

尾はまだ短い

ヒヨドリぐらいの大きさだ


しばらく様子を見ていたが

親の姿はなく 野良猫も多い

海が 持っていた砂遊び用のシャベルを

フェンスの下から突っ込むと

オナガのヒナが自ら乗っかった


翌日 家で世話をしていると

なんだか痒い

着ている黒いTシャツに

小さな白いものが動いている

ダニだ

オナガがいる鳥かごに

たくさんダニがついていた

恐怖!


虫はダメだ

特にこういう見えない虫はダメだ

長いゴム手袋を買ってきた


図鑑の野鳥の細密画を描く人が

「野鳥の絵は 死骸を観察して描くので

ダニとの戦いです」 と書いていた

オナガはすでに弱っていたのだろう

数日で死んでしまった


ハトが死んで

オナガが死んで

なみが死んだ


気持ちが落ちた


鳥かごを処分した

青空通信

双子の子育てや離婚、自分の成長、 他の方々から頂いた言葉、 出会った言葉を綴っています。

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