自分を活かす / 次にどうすべきか
人間にとって、
究極の大事はただ一つ、
幸せな人生を送ることだ。
財産も、地位も、世間体や評判も、
家族や国家でさえも、
結局はそのための一要素に過ぎない。
豊かな財産に恵まれ、
高い地位にあり、
格好よく生きているようでも、
その実、
不幸な人々が沢山いる。
その人自身が最もしたいことを、
そのために放棄しているからだ。
では、人間にとって
「幸せな人生」とは何か。
好きなことをすることだ。
だが、「したいこと」の
分からない人には
「好きなこと」も分からない。
人間は「有利だ」と
教えられたことを、
「好きだ」と
信じ込んでしまうからである。
経済の見通しができるの
はせいぜい十年。
今年「有利」だといわれる
企業や職種も、
二十年後には
有利でなくなっているのが常だ。
日本では
三十年一つの職種職業が
有利であり続けたことがない。
太平洋戦争の直後の
1950年前後には
石炭産業が最も有利だといわれた。
1950年代中頃には
化学肥料やセメントが流行、
60年代には鉄鋼、造船、石油化学、
70年代初めの流行は国鉄や官庁、
最近、医師になった人が
「医者になると
病人しか来ないので嫌になる」
という話が多い。
医師の所得が高いというので
やたらと医師志望が増えた頃、
高校の先生が、
「君ほどの成績なら
医学部に進学できる」と
薦めた結果だ。
どんなに有利でも、
嫌いな仕事を一生続けるのは
不幸である。
自分を活かす方法の第一は、
世の中の評判や
無責任な見通しにこだわることなく、
「好きなこと」をすることであろう。
それが生業なら、
それに越したことがない。
「自分を活かす名言」角川文庫
堺屋太一1935 作家・評論家
。。。。。。。。。。
「次にどうすべきか」は、
他人が考えても意味がなく、
人から言われたことを実行しても
効果がありません。
自分にとって根源的な問題や
生きる意味に向き合い、
自分で行動に出てみて初めて、
その先を見つけられるのです。
樋野興夫1954 医学博士
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