お見合い
22歳のころ
1度だけお見合いをしたことがある
保険会社勤務 28歳
ホテルのラウンジで
双方の母子と
仲介の母の友人とで対面した
写真よりずっと
ジャガイモみたいな人だった
小さな口に
小さな歯が並んでいた
母同士の歓談も終わり
「お若いおふたりは
お散歩でもなさったら?」
天気のよい日だったが
何を話したか覚えがない
また会うことになった
ドライブ
ちょっと嬉しかった
けど車がイマイチ
古いセダンのボンネットに
丸いミラーついていて
フロントミラーには全国各地の
キーホルダーが
これでもかとぶら下がっていた
彼はいい人だった
自分の仕事のことなど
たくさん語ってくれた
じゃぁ今度は君のことを
聞かせてくれる?
えーっと…
22歳の私には
語るほどのことがなかった
そうだ!と思って
つくることが好きで…と言った
彼の顔が輝いた
お見合い
結婚
作ることが好き
イコール 料理!!
私は言った
粘土で…
彼の夢が音を立てて崩れた
しまった!とは思わなかった
久々に飛ばしたヒットのような
気分だった
私には結婚はまだ
早いんだなと思った
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