副業

夫に誘われ

「ストーリー・オブ･ラブ」という映画を見た

夫婦がだんだん上手く行かなくなり

別れる寸前まで行って

ふたりの子どもに

離婚の話をしようとした当日に

「やっぱり今がいいのよ」と

またやり直すことにする

という内容だった

だんだんふたりの仲が

気まずくなっていく過程や

台詞にうなずけることが多かった

夫は ハッピーエンドで良かったねと

甘い余韻に浸っていたが

「私たちのようで考えさせられるね」

と言うと　現実に戻った

良いと思ったら自分の物にしなくちゃ

と私

自分のポリシーや目標

今までに生きてきた中で感じ得たこと

感銘した言葉を挙げられるか

と訊ねた

夫はいつも本を読んだり

ドラマや映画を見たりしているが

娯楽でしかない

噛み砕かず　身にならず

そのまま出ていってしまう

次から次へと人生の指南書が出て

ベストセラーになったりしているが

中毒のようにそれらを読み漁るのは

いくら読んでも

他人の言葉でしかないからだ

言葉を噛みしめ　砕き

自分に置き換えて納得しなければ

身にはつかない

自分の生きて来た道　夢

現実　未来をじっくりと考え

大望だけではなく

それを達成する現実的なステップを

模索すれば　と言った

夫は「ありがとう」と言って

部屋を出ていった

夫の仕事はうまくいかなかった

夫は　健康食品のネットビジネスを

副業で始めた

マルチ商法だというと

怒って話を聞かない

上司にあたる人の信者のようになり

研修会に頻繁に参加するようになった

それもうまくいかなかった