金魚とハムスター
子どものころ
よく金魚を飼った
丸いガラスの鉢の中で
水草のまわりを泳ぐ金魚を
学習机に 頬杖をついて 眺めていた
そのうちに触りたくなって
水に手をつっこんで撫でた
数日たつと
金魚は体をななめにしながら
泳ぐようになった
学校から帰ると
腹を上にして浮かんでいた
しばらくすると
また欲しくなって買った
中学生になって
1200円でハムスターを買った
ケージや回転車 小屋も
首輪と細い引き綱まで 買った
ティッシュを裂いて 寝床を作った
ひまわりの種をむいて一緒に食べた
いつでも一緒にいたかった
首輪は何度はめてもすぐに抜けた
毛糸のカーディガンのポケットに入れて
一緒に遊びに行った 13日で死んだ
次の年もハムスターを飼った
小さいほうが懐くかもしれないと
一番小さいのを選んだ
兄にみつかりキタナイと言われた
オキシドールで拭いてみた
3日で死んだ
動物が死ぬたびに
空き地にお墓を作り
ひどく泣いた
ひとつ年上の親戚の女の子が
文鳥のヒナを買った
湯でふやかした餌を
注射器で食べさせた
うちに泊まって 2日位たったころ
元気がなくなった
女の子が一晩手の平で暖めると
元気になった
大好きだけれど
私は生き物を飼ってはいけない
飼う資格はないと思った
それからなみが来るまで
生き物は飼わなかった
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