閏秒
うるう年と違って
決まった年に巡ってくるわけではなく
うるう秒の調整は不定期。
地球の自転速度がふらついているためで、
地球物理学のホットな
研究テーマにもなっている。
長い目でみると
地球の自転は遅くなっている。
主因は潮汐(ちょうせき)力。
月と太陽の引力により
潮の満ち干が起きると、
海水と海底の間に摩擦が生じ、
それがブレーキとして働くからだ。
一方、時刻はかつて地球の自転による
一日の長さを24時間とする
「天文時」に基づいていた。
だが自転速度が一定でないため、
厳密なペースメーカーにはならない。
そこで1958年、
時を極めて正確に刻む原始時計に基づく
「原始時」が国際的に採用された。
ただし、原始時だけを基準にすると
天文時とのズレが積み重なり、
やがては「午前零時に日が昇る」
という事態になりかねない。
そこで採用されたのがうるう秒。
1970年代には
毎年のように挿入していたが、
近年は頻度が下がった。
短期的には地球自転の遅れが
鈍っているともいえる。
こうした自転のふらつきは
なぜ生じるのか。
意外に無視できないのが
地球を取り巻く大気や海水の流れだ。
フィギュアスケート選手が腕を縮めると
スピンの回転が速まるのは
「角運動量の保存」という物理法則による。
地球の大気や海水は
季節風や海流の
向きや早さが大きく変わると、
陸地や海底より下の
「固体地球」の回転にも影響を及ぼす。
地球内部のマントルや核(コア)と
呼ばれる部分にも関係する。
巨大地震で断層が大きくずれると、
重さのバランスが微妙に変わり
自転がふらつくとの説もある。
久保田啓介 日本経済新聞 編集委員
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月や太陽による潮汐力で
地球の自転速度は、100年で
1000分の1秒遅くなっている。
約46億年前、
1日は5時間ほどしかなかった。
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