齋藤明美 自己管理
肉体的にも精神的にも、
自己を管理できるかどうかで、
その人の幸福感は大きく変わり、
ひいてはその人間の
値打ちが決まるとさえ思う。
人の心がけというものには
何か得体のしれない“力”が
あるように思えてくる。
運命は引き寄せるものであり、
偶然とは紙一重でちがうように。
「生まれつき」が
死ぬまで続く人はいない。
高峰がしていたことは、
ただ毎日暮らすことだった。
極めてルーティーンと
思える作業を繰り返していた。
ただ黙って、粛々と、
やり過ぎず、やり残さず、
今すべき、今日すべきと
自分が決めたことを、
行い続けた。
悪い習慣はいやでも即座に身につくが、
そうでない行いを
習慣になるまで積み重ねることは、
大変な努力を要する。
86年の生涯の最期に、
たった2ヶ月余、
高峰は寝ついた。
自分で癒せなければ、
死ぬ。
摂理に準じた人だった。
松山善三・高峰秀子夫妻の養女
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