伝えたいこと

どれだけのものを

彼らに伝えられるだろう

わたしの経験は

どれもとるに足らない

ちっぽけなものだけど

わたしの知っている

美しいものごとを

あますことなく伝えたい


わたしの底の浅さを知る日は

そう遠くはないだろう

こんなものかと思うだろう

超えるに易い山である


。。。。。。。。。。


教えるとは共に希望を語ること

学ぶとは真実を胸に刻むこと

ルイ・アラゴン 小説家・詩人


。。。。。。。。。。


何かいいものを見つけたときに

しなくちゃならないのは

それを誰でもいいから

出会った人に分けてあげて

一緒に喜ぶことなのだ

そうすればいいことは

どこまでも拡がっていく

それが正しい行いってもんだ

チェロキー族の長


。。。。。。。。。。

「可能性」

いとしい子よ お前はどこにでもいる
きらら雲の上 深い海の底
牧場の馬の 一頭々々の背に
橄欖林のいっぽんいっぽんの木のうしろに
いとしい子よ 春の地平に
もえたつ陽炎のゆらめきごとにおまえはいる
ひらく花の一輪々々に
みのる果実の一顆ごとにおまえはいる

だから母さんはいそがしい
どこにでもいるおまえのあとを追いかけて
椰子の油をせなかにたっぷり塗りつけて
さて
お日さまの光をまぶしてあげねばならぬ

だから母さんはいそがしい
どこにでもいるおまえをつかまえ
みどりの木かげのハンモックをゆすって
世界一
すてきな夢のひるねをさせてあげねばならぬ

だから母さんはいそがしい
どこにでもいるおまえのために
未来にあわせた
ながいながいズボン
王様だって顔負けの
青空のきれで千枚万枚縫わねばならぬ

いとしい子よ
たまたまそばにいるからといって
ひとりで甘えちゃいけません
母さんのこどもは
雲の上にもいるおまえ
海の底にもいるおまえ
どこにでもいるおまえ
ひろがるおまえ
縁のないおまえ
そのように母さんはおまえを生んだ

新川和江 詩人


青空通信

双子の子育てや離婚、自分の成長、 他の方々から頂いた言葉、 出会った言葉を綴っています。

0コメント

  • 1000 / 1000