公園
春になり なみの散歩をするようした
雨でも風でも
ふたりをベビーカーに乗せて歩いた
双子だけでも注目されたが
ゴールデンレトリバーまでいたので
私たちは近所で有名になった
知らない人に噂されていたと
母から聞いた
歩いて15分ほどの大きな公園に行くと
遊具の周りには
赤ちゃんや小さな子を連れた母親たちが
たくさんいた
少し足を止めて眺めていると
ひとりの母親が
だいじょうぶ?と声をかけてくれた
あとで聞いたのだが
私が幽霊のように疲れて見えたそうだ
その日から 毎日公園に通った
なみはいつもおだやかに寝そべり
小さな子たちの人気者になった
妊娠中に引っ越して来たので
まだご近所を知らなかったが
温かい目で見守られていた
町内の仕事で
回覧板やゴミの集積所の掃除が
回ってくるはずなのに
どうやら免除してくれているようだ
朝 おんぶと抱っこで玄関先に出て
揺らしていると
幼稚園に男の子を送る女性が
うちの前を通った
男の子は歩いて 前後とサドルにまで
年子続きらしい子が乗っている
4人の子育ては双子よりもずっと
大変だろうなと感心していた
コートがいらない季節になったら
その女性の背中には赤ちゃんいて
びっくりして声をかけてしまった
様々な人に助けられ
ふたりは順調に育った
1歳半の春
仕事の引継ぎも終わり
完全に仕事を辞めた
この頃 ふたりの人見知りが激しくなって
毎日のように来てくれた安子さんや
由美子さんでも泣いた
今日で最後という日
由美子さんが大きな花柄の
マキシ丈のワンピースを着て現れたら
ふたりはひどい泣きようで
困ってしまった
0コメント