スイミング
スイミングは
生まれて8カ月位から始めた
初めのうちふたりは
泣くでもなく笑うでもなく
お地蔵さんのように
カチンコチンに固まっていた
1歳半位になった頃
急に声を上げて笑うようになった
2歳になって
大人の付き添いがなくなり
泣く泣くふたりで入るようになった
毎回は泣かなくなっても
級が上がる度に泣いた
級が上がると
進級テストが必要になる
テストには受かりたいが
受かると次の級に上がるのが
怖くて泣いた
落ちるとくやしくて泣いて
また受けた
小学生になって友達ができると
泣かなくなった
4年生ぐらいまで
車で乗せていき
観覧席でふたりのようすを眺めていた
友達とのやりとりを見ているのも楽しかった
受付に男女別の列をつくる
女の子たちは一列に並んで
おしゃべりをしている
男の子たちはつっつきあったり
くっつきあったり
べたべたしてさわがしい
若いオスのイルカみたいだ
イルカは 人でいう少年の時代
若いオスで群れをつくり
くっついたり べたべたしたり
遊んで育つ
終わるのは夕食時
コロッケや たこ焼き
うどんなどが楽しみだった
高学年になると
友達と待ち合わせて
送迎バスで通うようになった
とても楽しそうだった
スイミングは習って本当によかったけど
本当に嫌だったと
よかれと思ったことは
ことごとく余計だったかもしれない
海にも山にも行った
カブトムシ捕りにも行った
海は恐ろしい 山は疲れる
虫はキモチ悪い
ま そんなものだ
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