2020.11.25 13:00お見合い22歳のころ1度だけお見合いをしたことがある保険会社勤務 28歳ホテルのラウンジで双方の母子と仲介の母の友人とで対面した写真よりずっとジャガイモみたいな人だった小さな口に小さな歯が並んでいた母同士の歓談も終わり「お若いおふたりは お散歩でもなさったら?」天気のよい日だったが何を話したか覚えがないまた会うことになった...
2020.11.18 13:46傷跡診察室で包帯を取ると足の甲に移植した皮膚は真っ黒だった縮んだ筋を伸ばすため親指から小指まで1本ずつ骨に添うように指先から長い針金が打ち込まれトウシューズで爪先立ちをするような形に伸ばされていたショックだった友人たちが青ざめて帰った理由が分かった車椅子で屋上に行き泣いた足指から針金を抜くとき麻酔はかけられなかった長さ8cmはある太い針金をそ...
2020.11.11 12:31再手術火傷の傷はしだいに重い足かせとなった身体が大きくなると移植した皮膚が突っ張り足の指が持ち上がった短大入学友人とテニスサークルに入った可哀想ねと遠くの声が聞こえた女の子たちのすらりと伸びたきれいな足がうらやましかったスコートは履けなくなったベッドで泣く私に母が寄り添った しばらく泣いて顔を上げると母も泣いていた初めて見る母の涙だった短大2年...
2020.11.05 11:20火傷1970年 4歳の冬足に深い火傷を負った母に頼まれて夕食ができたことを住み込みの大工さんに知らせに走ったその途中石油ストーブに衝突し煮えたやかんが落ちこぼれた湯の上にころんだのだ母がわたしを抱え台所で水を流しながら長ズボンを脱がせるとズボンと一緒にぺろんと右足のひざから下の皮がはがれてしまった痛みの記憶はない父の運転で病院へ運ばれた手術台...